2009'01.02
![]() | つくもがみ貸します 畠中 恵 角川書店 2007-09 by G-Tools |
生まれて百年経つと、物には付喪神(つくもがみ)が宿り、しゃべりはじめる・・・。
そんな付喪神が集まっているのが、損料屋・出雲屋。つまり、江戸時代のレンタル屋さん。掛け軸も、キセルも、アクセサリーも何でも貸してくれる。いいものだからこそ百年以上も経っている。だから、出雲屋は付喪神のおしゃべりでにぎやかなのである。
「しゃばけ」シリーズがおもしろいらしいので、一度、畠中さんの本を読んでみたかったのです。そんなときに発見したのがこの本で、「しゃばけ」シリーズではないのですが、読んでいて、畠中さんの人気に納得。時代劇でしかお目にかからない江戸の人々が現代にもなじむ位に生き生きして見えて、しかも付喪神もありがたくもあり、愛らしくもあり、楽しくてちょっとうらやましい。畠中さんが書く、お江戸の世界は歴史上の遠い世界ではないあたりが魅力のひとつなんだと思いました。
さて、この本ですが、出雲屋をやっている清次とお紅がお店の周辺で起きる謎を、付喪神の噂話を手がかりに(付喪神は人とは口を利かないので)、解決していくというお話です。物を見る目はあるけれど頼りなさそうな清次と、しっかりもののお紅に、誇り高い付喪神たち。付喪神たちの気ままさとおしゃべり好きに時々振り回されながら、清次が自分なりに精一杯謎解きをしている姿は、実はちょっと頼もしい。だんだん明らかになってくるお紅を取り巻く面倒な人間関係が最後にどうほどけるか、というところは、ぐちゃぐちゃに絡まった糸がほどけてくるように、途中イライラするけれど、最後はなんだかホッとします。
付喪神も頑張っているのにさっぱり儲かっていない出雲屋のほほえましい店先にどうぞお越しください。






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