2009'01.01
![]() | おわりから始まる物語 (ポプラ・ウイング・ブックス) Richard Kidd Peter Bailey 松居 スーザン ポプラ社 2005-11 by G-Tools |
父親が猟師を辞め、海から遠い村に引っ越してきたジミーは、鯉少佐と呼ばれるグレゴリーさんと仲良くなり、ときどきグレゴリーさんの庭に鯉を見に行っていた。新しい学校で友達もできた。最初は苦手だったビリーだ。ビリーにもきれいな鯉を見せてやろうと、少佐の庭にこっそり入ったのだが、ふざけたビリーが鯉を殺してしまう。責任を感じて、しばらく少佐の家から遠ざかっていたジミーは、ある日、少佐の貴重な鯉が盗まれている現場に遭遇してしまう。
鯉1匹1匹に名前をつけ、大切にしている少佐の温かい心遣いがとても魅力的で、少佐とジミーが庭を回る場面が大好きでした。ぽかぽかとした陽だまりみたいな少佐。海外の物語で日本の鯉が大事な役割を果たしていることや、その物語が日本でこうして読まれていることを考えると、なんだかうれしくてくすぐったい気分です。
タイトルにある‘おわり’って、改めて考えると不思議な言葉ですね。終わりがあるからにはきっと始まりがあったはずで。それじゃあ、終わってしまったら、何もかもなくなってしまうのかというと、そこからまた別の始まりがあるはずなわけで。この物語の最後では、鯉盗難事件を解決した登場人物たちがそれぞれ、事件の‘終わり’から、何か新しい‘始まり’を感じていますが、よーく考えてみると、物語の最初も「お父さんが猟師の仕事を辞める」という終わりから始まっています。終わりと始まりという、果てしなくぐるぐる回るらせん状の出来事が至るところにちりばめられています。終わるということが次へのスタートなのだと感じさせてくれる、すがすがしい物語でした。






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